祇園祭観覧席について
◆祇園祭にともなう収益は祇園祭のために!
平成18年7月1日
7月17日の山鉾巡行では、御池通りに有料の観覧席が設けられます。現在、この収益の一部が京都市観光協会の運営費に充てられています。早急の改善が望まれます。
祇園祭の観覧席は1席3100円で販売され、近年は完売状態のようです。チケットによると、祇園祭山鉾連合会と社団法人京都市観光協会の主催のように思われます。そこで使途について祇園祭山鉾連合会に問い合わせましたところ「定額の巡行補助金を祇園祭協賛会を通じて受け取っているが、観覧席の事業内容(経費の内容や収益の使途)について祇園祭山鉾連合会はノータッチであり、京都市観光協会からの報告もない」との回答でした。
そこで、祇園祭山鉾連合会に、事業内容について京都市観光協会に問い合わせするように要請しました。ところが祇園祭山鉾連合会の照会に対して京都市観光協会はほとんど回答していません。
回答がないので、正確な情報はわかりませんが、私の元にある情報(私の推測も含まれる)を整理すると、以下のようになります。
まず、本年度の収益予想は、およそ323万円。これがなぜか京都市観光協会の収益となり、同会の運営費に充てられます。ほかに、京都市観光協会会員には、およそ1200枚の招待券が配られます。これをもし販売しておれば、およそ372万円の収益があるはずです。つまり京都市観光協会には700万円近い収益がもたらされます。これは祇園祭のために使われる収益ではありません。
京都市観光協会は、京都市から平成17年度で12,139,886円の補助金が交付されています。にもかかわらず、なぜこうまでしてお金を集める必要があるのでしょうか。推測される原因のひとつは人件費です。京都市観光協会のある課長の年間労務費はおよそ1200万円(この数字は手取りではありません。ここから社会保険や税金が引かれた分が本人の手取りになります)。もうひとつ、平成17年度に支払われた退職金はおよそ5800万円。京都市観光協会の全職員数は30名たらずと思われます。この年は専務理事が退職していますが、ほかに何人退職したのでしょうか。ちなみに専務理事は京都市職員OBです。
祇園祭に携わる各山鉾保存会はみなボランティアです。祇園祭に参加することは、寄付金を出すことはありますが、ギャラはもらっていません。いわば出演者の人件費はタダで、京都市観光協会はしっかりと人件費をとっていることになります。祇園祭の運営が実は経済的に不安定なだけに、早急の改善を望みます。
◆社団法人京都市観光協会 の内容について
平成18年7月29日
京都市観光協会とはどんな団体なのか? という質問がありましたので、分かる範囲で説明します。
まず、社団法人であって、京都市の外郭団体ではありません。ですから情報公開条例の対象にはなりません。基本的に観光協会の経営情報や運営情報を入手するには限界があります。
しかし総会資料は入手できました。
まず、人員について。常勤で有給の専務理事はこの春に変わりました。今度の専務理事の前職は、京都市産業観光局観光部長です。職員数は事務局長以下、プロパーは16名、嘱託が7名、京都市から派遣が1名、出向・派遣職員3名、他の団体への出向が1名で計29名です。京都市から派遣されている職員は京都市では課長代理クラスで、観光協会の企画課長です。企画課長の仕事内容は、京都市観光部長の説明によりますと「観光協会の事業方針の策定や事務局の庶務、経理など、観光協会の全般的な管理運営を所掌するとともに、関係諸団体との共同事業や連絡調整に関することを担当することになっている」とのことです。
経営状況ですが、平成17年度(平成17年4月1日から平成18年3月31日まで)で見ますと、
普通会計は3,953,242円の黒字になっています。退職給与積立金に5,751,400円を支出しての黒字ですから立派だと思います。ちなみに平成18年3月31日現在の退職給与積立金は128,571,000円です。5800万円を支払ってもこれだけ残っています。
収入のうち会費が69,010,000円。このうち京都市が支払った会費は9,100,000円。会費の金額は定款によると、観光協会の総会で決めることになっています。しかし、京都市は総会の議事録を持っていません。910万円の根拠はと聞くと、京都市観光企画課担当者の説明では「相手が請求してくるから認めて支払った」とのことです。
◆祇園祭 御池通りの有料観覧席の事業内容
平成18年7月29日
祇園祭山鉾連合会と京都市観光協会の協議は7月28日に開催されました。協議内容を同日夕刻に祇園祭山鉾連合会に問い合わせますと、9月1日に理事会を開催し、それから公表するとのことです。協議内容のうち、私の推測では、おそらく祇園祭山鉾連合会が京都市観光協会に提出を求めていた資料が開示されたのではないか、と期待しています。
最も注目すべきは、観覧席運営費1100万円の中身です。いわゆる“貸し物屋”さんへの中身が気になるところです。私の展示会での経験則では消耗性の高い物は、レンタルなのに新品購入費よりも高い場合があります。たとえばオレンジ色の三角コーン。ホームセンターで295円で売っている物が、レンタルすると500円になることがあります。この500円の中に、搬入費や設置費は含まれていません。しっかりと交渉しないとこのような矛盾が生じます。
ほかに諸費として40万円が予算計上されています。保険や打ち合わせの費用のようですが、賠償傷害保険ならせいぜい12万円程度。会議にかかる費用も大きな金額ではないでしょう。ではほかに何に使ったのでしょうか。
京都市観光協会は「観覧席の主催は京都市観光協会と祇園祭山鉾連合会」と言っています。それなら経費の使い方について祇園祭山鉾連合会へはクリーンに開示していただきたいものです。
◆京都市観光協会への入会のご案内
平成18年8月5日
「京都市観光協会への入会のご案内」という資料を入手しました。今回はこの内容をご紹介します。
観光協会では「観光事業に直接関連もある業界はもとより、広く産業各分野に」入会をすすめております。
年会費は「事業規模に応じて、ご負担いただいております」とあり、その下に「年会費としてお願いする額 30,000円」とあります。既存会員企業に聞いてみますと、聞いた数社の中で、3万円の企業はなく、みな、これより高い金額でした。今のところ企業の最高金額は10万円です。どうやらこの3万円は最低金額のようです。
会費を払う会員企業にとって最も気になるのは、どんなサービスを受けられるのか、という点です。
「会員サービス事業」というページに『三大祭(葵、祇園、時代)の観覧席に2名ご招待(希望者)』とあります。「ちょっと待って!」と言いたいですね。観光協会は“広く産業各分野”に会員を求めているのです。会員数が増えればその分だけ祇園祭の“ご招待”が増えるのです。このシステムでは“ご招待”が限りなく増える可能性があるわけです。この“ご招待”は京都市観光協会が会費を受け取るメリットとして行われているものです。祇園祭御池通観覧席の主催を京都市観光協会は「京都市観光協会と祇園祭山鉾連合会」といっています。この“ご招待”は片方の主催団体にとってメリットはありますが、もう一方の主催団体である祇園祭山鉾連合会にはなんのメリットもありません。しかもこのような運用が行われていることを祇園祭山鉾連合会は知っているのでしょうか? わたしは、このような運用が行われているとの説明を祇園祭山鉾連合会から聞いたことはありません。
さて、観光協会の収入について、
「京都市観光協会の予算(平成)17年度)」というページに『会費収入は全体の1割にすぎません』と強調しています。三大祭観覧席は受入対策収入に分類されており、全収入財源の19.2%を占めるとの説明があります。ということは祇園祭観覧席は、はじめから“予算”で“収入”に見込んでいるのです。
祇園祭山鉾巡行は、当事者である山鉾保存会の面々は無報酬です。祇園祭山鉾連合会の理事も全員が無報酬です。そのほかに「京都・祇園祭ボランティア21」では平成18年の巡行では560名もの方々のボランティアを得ています。ほかにも多くのご奉仕をいただいております。
他方、京都市観光協会は祇園祭の収益に加え、行政からの保護(京都市の京都市観光協会への会費は910万円)を受け、職員(というより私の推測では一部の役員か一部の職員)は高額な退職金を得、一部の職員は高額な給与を得ています。
◆京都市観光協会理事会次第を読んで
平成18年8月29日
京都市観光協会の理事会次第を入手しました。これは理事会を開催するにあたって、事前に理事に配布される資料のようです。全体として総会資料と同一の部分が多く、目新しい部分はありません。祇園祭観覧席については『受入対策事業』の中にあります。本来、共同開催であるはずの祇園祭山鉾連合会の記述は一言もありません。また『共催補助事業』のなかで、『(祇園祭に)補助金を交付した』とあります。これらのことから祇園祭観覧席が『自分の事業』として取り扱われていることがわかります。
◆祇園祭観覧席の歴史
平成18年8月29日
昭和31年、17日の山鉾巡行経路が御池通りに変更され、はじめて有料観覧席3900席(料金200円)が京都観光連盟により御池通り南側に設けられました。当時、市長は『観覧席の収益はすべて山鉾巡行経費の補助金にあてる』と発言したようです。(昭和31年7月3日、
京都新聞参照)
昭和33年から主催が京都観光連盟から祇園祭山鉾連合会に移りました。
主催は昭和38年に、京都市観光協会と祇園祭山鉾連合会の共催になりました。
すくなくとも昭和51年当時は『観覧席の収益はすべて山鉾巡行経費の補助金にあてられる』との合意があったようです。
平成18年9月9日
以前は、京都市観光協会と祇園祭山鉾連合会の幹部同士の顔合わせがあったようです。私は数年前、祇園祭山鉾連合会の深見理事長からこんな話を聞いたことを思い出します。「私が理事長に就任したころは毎年、6月下旬か7月上旬ころに京都市観光協会から呼び出しがあり、私と吉田副理事長らで行ったことがある。たしか下鴨の料亭だったかな。しかし、実務的な打ち合わせや報告は何もなく、忙しい時期でもあり、吉田副理事長が『めんどうくさいからやめよう』と言うし、私も同感だったので、出席をお断りした。それ以来、京都市観光協会の幹部と会う機会がなくなった。今から思うと、事務的な打ち合わせの機会を残しておくべきだったと反省している。」
◆京都市観光協会について、新たに分かったこと
平成18年8月29日
1.京都市交通局は京都市観光協会に会費として、平成17年度に27万6千円を支払っています。担当者によると、ここ数年は毎年同じ額だとのことです。なぜこの金額なのか、という点については、なにも説明はなく、資料もなく、わかりませんでした。
この27万6千円という金額は、一般企業の会費と比べると極めて高額です。新規会員は3万円ですし、幹部役員にもなっている全国規模の老舗メーカーは10万円です。
京都市観光協会へは、京都市が毎年910万円の会費を支払っています。京都市と京都市交通局はなぜ、別なのでしょうか? どちらも、多額の借金を抱え、その借金を最終的に補填するのは市民です。そして、両方赤字です。ひとりの市民としては、会費を払うよりも、先に借金をなくしてほしいと思うのですが?
2.京都市は京都市観光協会に1200万円あまりの補助金と910万円の会費を払っています。補助金の支出について、『京都市観光協会の財政基盤の強化を図る』という理由があらたに分かりました。では、京都市は京都市観光協会の運営についてどのくらい把握しているのでしょうか。まず、理事会次第や総会資料は持っていますが、理事会及び総会の議事録は持っておりません。つまり何を決めたのかは分からないことになります。また、給与規定や退職金規定も持っていません。つまり、何にいくら使っているか把握していないことになります。京都市観光部長から京都市観光協会専務理事に天下りし、3年間勤めたら退職金がもらえるようですが、いくら給与をもらっているのか、いくら退職金を受け取るのか、京都市は把握していません。税金が、京都市観光協会という外部団体を経由して、特定の個人に流れているのです。これでは、穴の開いたバケツに水を入れているようなものです。
多額の借金をかかえ、財政危機だと市民にはあらたな負担を求める京都市。他方では外部の団体の『財政基盤を強化』しているのです。
◆観覧席の経費内容について
平成18年9月1日
祇園祭山鉾連合会が京都市観光協会に観覧席の経費の使途などについて質問していた内容についての回答文章を見せてもらいました。
- 招待券配布について
1−1.観光協会会員の招待券の配布数
平成15年 1078枚 平成16年 1100枚 平成17年1183枚。
年々増えています。
1−2.気になるのは“その他”で“JR・記者・警察”の192枚。
1-2-1.“記者”は市役所にある市政クラブに加盟する10社の可能性があります。市政クラブに属する報道10社とは、大手新聞5社(朝日、読売、産経、毎日、日経)、共同通信、時事通信、京都新聞、KBS、NHKです。
しかし、ある社の記者は「招待券は各社使っていないのではないか。なぜなら、観覧席に座っていては取材できないから」とのことでした。
1-2-2.“警察”について。祇園祭に関係する警察署は府警本部のほか五条署、中立売(なかだちゅうり)署、堀川署、東山署(旧松原署)ですが、この範囲では招待券取得に伴う公文書は存在しないようです。つまり警察は、公的には招待券を受け取っていないことになります。
- 座席を設置する経費内容について
2−1.京都市観光協会の会員企業3社に発注されています。入札はありません。
2−2.内容をみると乱暴な“内訳”が見えてきます。
2-2-1.K社:紅白水引幕(枠組共)621,432円、ごみ袋は1枚79円が150枚で11,850円、資材運搬費525,000円、設置作業人件費616,140円、撤去作業人件費567,000円(内訳や積算は書類には書いてありません)
2-2-2.R社:ポリバケツ1個1,000円が16個で16,000円、設営費85万円、撤去費25万円、運搬費58万円、営業諸経費36万円(内訳や積算は書類には書いてありません)
2-2-3.J社:ビニール袋(ごみ袋)1枚70円が140枚で9,800円、カラーコーン1個500円が60個で30,000円、運搬・設営・撤去費850,000円(内訳や積算は書類には書いてありません)
- 観覧者1万6千人を対象にした傷害保険の保険料は113,600円でした。
開示された資料を見て感じることは
- 招待券は、配布先などが非常に不透明です。
- 座席設置の外注については、割高な部分が多いように思えます。
- 諸経費の予算は40万円。保険料が11万ですから、他に何に使っているのでしょう。
◆祇園祭山鉾連合会と京都市観光協会の折衝に至るまでの経緯
平成18年9月11日
標記について、現在両団体は公式に交渉を行っています。交渉経過については、わたしもここで書くには交渉に影響を与えることもありますので、書きにくい部分があります。ただし、決まったことについては発表したいと考えています。
ただ、両団体が公式交渉に至るまでの経過については書きます。
観覧席のチケットには両団体の名前が併記されています。これでは一般の人が見ると、両団体が共に主催していると解釈できます。
私は、もう十数年前になるだろうと思いますが、ある市民の方から「観覧席はものすごく儲かっているだろう。経費といってもイスを並べるだけだから」という意見を聞いたことがあります。しかし、当時から祇園祭山鉾連合会は観覧席の事業内容(経費の内容)などを一切各山鉾保存会に説明していませんでした。このことを意見を言った市民の方に説明すると「では祇園祭山鉾連合会の一部の役員は“おいしい思い”をしているのではないか」と言うわけです。決してそんなことはないと思うのですが、反論できる証拠はありませんでした。同様の意見はその後、何人もの方から聞くようになりました。
わたしはその後、白楽天山保存会の理事長になり、祇園祭山鉾連合会の会合に出席できるようになりました。そこで、はじめてこの問題について、祇園祭山鉾連合会の深見理事長に話を直接、聞くことができるようになりました。当初、深見理事長は「確かに全てを京都市観光協会にまかせており、事業内容を当方は全く知らない。ただ、発足時(昭和31年)の市長発言(
観覧席の収益はすべて山鉾巡行補助金にあてる)もあり、京都市観光協会は収益を自らに取り込むことはないだろう。信頼していいのではないか」と問題視しませんでした。
私と深見理事長は、何度か立ち話を含め、この問題を話している内に、おそらく深見理事長も個人的に断片的な情報を集められたのでしょう、「とりあえず京都市観光協会に問い合わせてみよう」「収益があがっているなら、京都市観光協会の利益として、取り込むのではなく、山鉾巡行経費に充ててもらうよう、求めよう」ということになり、平成17年8月、祇園祭山鉾連合会の事務局長を京都市観光協会に説明を受けに行かせました。事務局長の報告によると、京都市観光協会は「めいっぱいで、現在以上に京都市観光協会から祇園祭山鉾連合会に渡す山鉾巡行補助金は増やせない」という回答でした。ただ、具体的な事業内容については数字を提示した説明はありませんでした。私は、深見理事長に「より踏み込んだ説明を求めるべき」と言いました。深見理事長は年が明けた平成18年の1月24日に再度事務局長を京都市観光協会に派遣し、数字などを提示した、具体的な説明を求めましたが、「見せても一杯一杯だからなあ」と言われ決算書を見せてもらえませんでした。またしても“門前払い”を受けたようです。
平成18年3月になり、私はかなり強く、深見理事長に、あらたな対応を求めるべく進言しました。ただ、このあたりでは深見理事長自身もかなり強い疑念をいだいていたようで、わたしと(祇園祭山鉾連合会の)事務局長とふたりで、京都市観光協会へ事情を聞きに行くことになりました。
平成18年4月12日に京都市観光協会へ観覧席の事業内容の説明を聞きに行きました。この場で、京都市観光協会は平成18年度の観覧席事業の予算を提示しました。そこには収益が記載されていました。つまり、平成17年8月に事務局長が受けた説明は、収益がないから巡行補助金は増やせないと言っていたのですから、『ウソ』の説明をした、ということになります。
祇園祭山鉾連合会では本件が理事会の議題になりました。この事態を知った役員からは「京都市観光協会にまかせておいたのは当連合会役員の怠慢だ」という意見も出たそうです。こうして祇園祭山鉾連合会と京都市観光協会が公式に交渉することになりました。
祇園祭山鉾連合会の深見理事長は、平素は冷静で、祇園祭山鉾連合会の諸案件については、“火消し役”の方ですが、本件については、私が深見理事長の顔色をのぞく限りでは、信頼が裏切られたと、腹のなかでは相当に煮えくりかえっているような気がします。
◆その後の経緯
平成19年7月7日
「御池通り観覧席に関する新たな書き込みがない」「その後、どうなっているの?」とのお問い合わせをたくさん頂いております。書きたいことはたくさんあるのですが、祇園祭山鉾連合会と京都市観光協会の交渉の経過を書くと、交渉に影響を与えかねないので、書きにくい部分があります。このように説明しても「じゃあ、今年はどうなるの?」「今年の観覧席のポスターやチケットには京都市観光協会の名前だけで、祇園祭山鉾連合会の名前がないのはなぜ?」との質問をいただきます。そこで支障のない範囲で書きます。
祇園祭山鉾連合会が会員(山鉾保存会)向けに行った説明会によると、祇園祭山鉾連合会と京都市観光協会の交渉は昨年のお祭りが終わってから、何回も行われています。ただ、わたしの感覚では、十分な成果は得られていません。祇園祭山鉾連合会の基本的な方針は『観覧席事業は、基本的には京都市観光協会に任せる。ただし、必要なことは口を出す』ということです。そして、双方の基本的な立場について合意文章を交わそうということです。
それに対して京都市観光協会の姿勢は、というと、祇園祭山鉾連合会担当理事の説明を聞く範囲では、問題に取り組む積極的な姿勢は感じられません。
今年の新たな決定は補助金を200万円増やすこと、あと、30数万円は増えるかもしれません。これのみで、合意文章については、合意は得られていません。
ちなみに、「今年の観覧席のポスターやチケットには京都市観光協会の名前だけで、祇園祭山鉾連合会の名前がないのはなぜ?」の理由は、主催者として解釈できるような形態で祇園祭山鉾連合会の名称が表示されると、双方の団体に均等な責任が生じます。しかし、祇園祭山鉾連合会は設置・運営には一切関与していません。事業計画や事業報告も一切受けていません。このような状態で責任だけを負うことはできないとして、祇園祭山鉾連合会が名称の表示を断ったそうです。
さて、私は祇園祭山鉾連合会の基本的な交渉方針に疑問を持っています。ひとつ目は、京都市観光協会から何も情報を引き出していないことです。昨年の観覧席事業の決算についても、祇園祭山鉾連合会での説明会の中で、会員(山鉾保存会)より要望があってはじめて京都市観光協会へ決算の開示を求めたくらいですから。ふたつ目には、招待席の位置や招待券の問題に踏み込んでいないことです。今年のチケットを見る限り、御池通り河原町西南角の一等地は例年通り観光協会の招待席です。招待券の配布方法も例年通りで、改善されたとの情報はありません。祇園祭山鉾連合会担当理事は、交渉の中で招待券のことなど「問題点は全部、京都市観光協会に言っている」と説明していますが、交渉に反映されていないのですから、単に言いっぱなしにすぎないことになります。
私の印象では、全体的に、京都市観光協会は『少しは補助金を増やすから、それだけでうやむやにしたい』。祇園祭山鉾連合会の方も『けんかすることもないか』と腰の引けた交渉姿勢に感じられます。
◆観覧席事業、決算(平成18年分)
平成19年7月7日
1.収入
収入はおよそ4200万円弱。予算より150万円増額してます。
2.支出
2−1.最も大きい支出は観覧席の設営で1050万円です。設営は京都市観光協会会員企業3社へ特命発注で行っています。競争入札はありません。これが異常な高額です。決算を見る限り昨年より改善された形跡はありません。
京都市観光協会は「会員企業へ発注する」としています。しかし、補助金や京都市が払う年会費など公的な資金が入っている団体で、会員企業のみへの発注というのが適切でしょうか? 支出を抑えようという姿勢が全くありません。また、平成18年度の京都市観光協会の会員名簿の「貸し物・ディスプレイ」業者の欄には発注している3社の他にも10社の記載があります。ほんとうに3社以外に発注することは不可能なのでしょうか?
2−2.相変わらず「臨時案内所設置分担」として20万円の経費を計上しています。これは祇園祭宵山会議の会費であって、臨時案内所を作っているわけではありません。
ちなみに祇園祭宵山会議へは祇園祭山鉾連合会も自らの運営費の中から同じく20万円を支出しています。もし、京都市観光協会と祇園祭山鉾連合会が観覧席事業で対等の立場であるのなら、京都市観光協会も自らの運営費のなかで支出すべきです。
2−3.配布物仕分け作業費として337,250円があります。時給1,000円のアルバイトを使って1日(実働8時間)で行うとすると42名雇ったことになります。
仕分け数は16,163席(平成18年の場合)ですから、異常な高額といえます。(私の試算ですが、パンフレットや日よけ帽子などを袋詰めにする場合、観客ひとり分に10秒要するとします。実働8時間で実作業7時間とします。この1時間の差は説明時間やロスの時間と考えます。ひとりの作業数は1時間で360個、7時間で2520個。16,163個行うには6.42人ということで、7人いれば十分に作業はできる計算になります。
逆に7人で作業をしたとすると、時給は6022円にもなります。)
ですから、おそらく会場借り上げ費用など人件費以外の費用の方が大きいのではないでしょうか。
2−4.予算にはなく、決算で出てきた費用に職員人件費があります。これは京都市観光協会の職員の人件費だと考えられます。AからGまでの名前があり4月から3月まで毎月0.3だとか0.8だとかの数字があります。たとえばEさんは4月は0.4、5月から7月は0.8。8月0.5・・・との記載があります。これは、Eさんは4月の勤務で勤務全体の4割は祇園祭観覧席に関わる業務をしたことを表していると考えられます。「平成18年度執行体制」という京都市観光協会の組織図によると、業務課には課長以下7名があがっていますので、この数字と一致します。Aさんが課長、Bさんは主任、C・D・Eさんは職員。FさんやGさんは嘱託と推定されます。業務割合はAさんが0.6。以下B=0.6、C=3.0、D=1.7、E=3.9、F=1.4、G=1.7。合計12.9ヶ月分で金額は5,402,053円。この金額を12.9で割ると1ヶ月あたり418,763円。12.9のうち職員3名の割合が(3+1.7+3.9=8.6)と全体の3分の2を占めています。課長は職員よりも給与が高いでしょうが、労務割合が少なくなっています。嘱託職員の給与は現役職員より同等かあるいは安いでしょう。ですから、この1ヶ月418,763円(年間換算で約502万円)という数字は職員の平均給与と大差ないのではないでしょうか。
平成18年の収支は職員人件費5,402,053円を計上することで、最終的に1,489,106円の赤字だったと、京都市観光協会は報告しています。しかし、人件費を計上しなかったら3,912,947円の黒字だったわけです。
私の印象としては、京都市観光協会がからむと(職員の人件費だろうが、外注の人件費だろうが、アルバイトの人件費だろうが)人件費は非常に高額になるということです。
そして、京都市観光協会には京都市から会費(毎年910万円)や補助金名目(平成17年度は12,139,886円)で、2千百万円を超えるお金が出ています。補助金は、年々増えています。この財源は市税です。京都市観光協会は事業を行うときに、自らの労務費を事業の経費として計上するのであるなら、何のために税金から京都市観光協会に支出する必要があるのでしょうか。このように考えると、京都市観光協会とは、お祭りなどの市民の活動を応援や手助けするための団体ではなく、食い物にして自らの高給を確保している団体のように見えてきます。
◆皆さんへの質問に応えて
平成19年7月7日
1.Q:観覧席の設置について、どこの業者がいくらで請け負っているのか?
A:どうやら同業者の方からの質問のようです。電話で話していると、受注したいようですね。平成18年の場合、潟Rスギが4,095,101円、蒲兼訣H芸が3,990,000円、ジーク梶i旧ゼニヤ)が2,411,700円の見積もりが出ています。3社の合計金額が10,496,801円。決算書の数字10,516,313円とほぼ一致します。
2.Q:京都市観光協会への補助金とは観光案内所などの委託費の間違いではないか?
A:間違いではありません。京都市観光協会が京都市へ提出した
「平成17年度京都市補助金収支決算書」には収入の部として12,139,886円とあり、摘要に「派遣職員人件費(17年度分)」と記載されています。支出の部でも10,922,942円が「派遣職員与手当(17年度分)」であり、1,216,944円が「派遣職員社会保険料等事業主負担金(17年度分)」とあります。
3.Q:人件費なら年度末にベースアップ等で補正予算があるはずだが?
A:あります。平成17年3月京都市作成の書類
「予算流用伺」によると、平成16年度の場合は912,000円を予算流用により増額しています。ちなみに、この予算流用に議会の承認を得る必要はないそうです。
4.Q:京都市補助金が本当に派遣された本人に渡っているのか?
A:確かに京都市の情報公開で得られる資料の中に本人の受領書はありませえん。しかし京都市産業観光局から情報公開で入手した
資料(産業観光局派遣団体人件費資料・作成は京都市人事課のようです)のなかに平成16年度の場合10,146,163円を支給したとあります。ですから京都市から京都市観光協会へ支払われた補助金のうち社会保険料事業主負担金を控除した分が本人に支給されていると考えて差し支えないでしょう。
5.Q:平成18年度の資料が提示されていないが?
A:平成18年度の資料は、次の手順で公開が可能になります。京都市観光協会が6月に総会を開きます。総会の終了後に資料が京都市観光協会から京都市に提出されます。京都市は提出を受けてから庁内を廻り、そこでやっと情報公開の対象になります。実質的に6月下旬にならないと情報公開の請求はできません。請求手続きをとってから2週間を経て、やっと公開されます。
6.Q:観覧席券を割引で買う方法はないの?
A:京都市観光協会の作成した「平成17年度祇園祭販売報告書」によると「京都館友の会」へは15%割引にて販売しています。もうひとつ「my京都VISAカード」も10%割引しています。
「京都館友の会」については
「京都館」のwebページへアクセスし、「京ものファンクラブ」に入ってください。
◆平成19年度観覧席設置の様子
平成19年9月6日
7月16日 午前11時30分
市役所前広場に警備本部のテントの設営が完了していました。この広場には『コスギ』(業者名)のトラックが多数並んでいました。ここにいた作業員は3名で、うち2名は社内で昼食をとっていました。
午前11時50分
御池通り間之町付近で三角コーンをトラックから降ろしているグループをみつけました。作業員は6名と思われます。
午後2時30分
受付のテントも建ち、だいぶ椅子が並んできました。ものすごい夕立で、一時作業が中断しましたが、雨の中を作業は進みます。『コスギ』の作業員は18名まで確認できました。
別の場所で、ブルーのポリバケツをトラックから降ろしていますが、私の目にはごく普通のポリバケツにしか見えません。このチームは9名でした。
午後3時10分
御池通り室町付近『株式会社日邦』のトラックと作業を進めるグループを見つけました。トラックには『NIPPO』との表示があります。なにわナンバーのトラックでした。ここでの作業員も18名程度と思われます。
◆京都市観光協会の平成20年度の運営体制について
平成20年6月17日
新年度になり人事異動がありました。専務理事だった山内秀顯(ひであき)氏は、京都市にもどり、現在、北区区長に就任しました。後任には事務総長として湊 二郎(みなと じろう)氏が就任しました。湊氏の旧所属は西京区副区長でした。
事務局長の本部(ほんべ)氏はプロパーなので、移動はありません。
それから会長には京都銀行 頭取の柏原康男氏が就任しました。会長は代表者ですが、実務に関わっているとは思えません。
運営のトップである専務理事、いや今年から事務総長と呼ぶようになったようですが、運営のトップは京都市幹部職員ですから、京都市と京都市観光協会とは一体だと思うのですが・・・。ところが、京都市観光協会は社団法人なので情報公開の対象外です。こうした情報公開の対象外の団体に多額でかつ算出根拠のない会費や補助金を京都市が支払うと、税金の使途が闇の中に消えてしまいます。
税金という公金は、闇に消えるような使い方をするのではなく、クリーンに使ってもらいたいものです。
ここでは京都市観光協会について述べていますが、私の推測では、京都市には関係する団体が多数ありますから、こうして団体を通じて闇に消える税金が多数あるのではないでしょうか?
こうした不明瞭な使途を解明するのが議員やマスコミの役割だと思うのですが・・・。